戸建てとマンションで料金が違う理由

最終更新: 2026-08-05

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同じISPでも、マンションタイプの月額料金は戸建てタイプより安く設定されています。当サイトが調査している光コラボ30ブランドでは例外なくマンションの方が安く、その差は月990円から2,200円です。理由は単純で、集合住宅では1本の回線設備を複数世帯で分け合えるため、1世帯あたりの設備コストが低く抑えられるからです。

ただし、この記事でお伝えしたいのは「マンションは安い」という結論ではありません。実際にマンションで契約するときに効いてくるのは次の3点です。①戸建てとの差額はブランドごとに2倍以上の開きがあり、戸建ての料金順位はマンションではそのまま通用しない、②同じ月額料金でも建物内の配線方式によって実際の速度が10倍以上変わる、③そもそも建物の設備によっては契約できないことがある。この3点を知らずに戸建て向けのランキングを見て決めると、選び方を間違えます。

具体的な数字を先に置きます。1Gbpsのマンションタイプで最も安いのはandline光SEの3,500円、最も高いのはSo-net光(Mプラン)の4,895円で、その差は月1,395円・2年間では33,480円です(2026年8月時点、税込)。戸建てとの差額が最も小さいのはタイガースネット光の990円、最も大きいのはic-net光の2,200円です。

マンションタイプが安いのは、1本の回線設備を複数世帯で分け合っているからです

光回線は、電柱等からマンション建物内に引き込んだ後、建物内のスプリッタ(分岐装置)で各戸に分配する構成が一般的です。集合住宅では1つの設備を複数世帯で共有できるため、1世帯あたりの設備コストが戸建てより低く抑えられます。この設備コストの差が、月額料金の差として反映されています。

コスト構造の違いは工事費にも表れます。たとえばGMOとくとくBB光の工事費は戸建て26,400円・マンション25,300円で、マンションの方が1,100円安く設定されています(いずれも実質無料キャンペーンの対象、2026年7月確認)。工事費そのものの扱いは工事費「実質無料」の仕組みと注意点で解説しています。

なお、当サイトが調査している1Gbpsの30ブランドの中に、マンションの方が戸建てより高いブランドは1つもありません。「マンションの方が安い」という前提は、例外なく成立すると考えて構いません。

戸建てとの差額はブランドごとに990円から2,200円まで開きがあります

ここからが本題です。「マンションの方が安い」ことは共通していても、いくら安いのかはブランドごとに大きく異なります。当サイトの掲載データから代表的な12ブランドを抜き出すと、次の通りです(1Gbps、2026年8月時点、税込)。

ブランド戸建ての月額料金マンションの月額料金差額
タイガースネット光4,950円3,960円990円
GMOとくとくBB光4,818円3,773円1,045円
andline光SE4,600円3,500円1,100円
オトクナ光4,697円3,597円〜1,100円
@スマート光4,730円3,630円1,100円
So-net光(Mプラン)5,995円4,895円1,100円
AsahiNet光5,698円4,488円1,210円
ahamo光4,950円3,630円1,320円
ドコモ光5,720円4,400円1,320円
@T COMヒカリ5,830円4,400円1,430円
ソフトバンク光6,233円4,693円1,540円
ic-net光6,028円3,828円2,200円

差額が最も小さいタイガースネット光の990円と、最も大きいic-net光の2,200円では、開きが2倍以上あります。2年間に換算すると、990円は23,760円、2,200円は52,800円です。「マンションだから1,000円くらい安くなるはず」という感覚で見積もると、ブランドによっては1,000円以上ずれます。

30ブランドのうち半数の15ブランドは、差額がちょうど1,100円です

差額の分布を見ると、30ブランド中15ブランドが1,100円ちょうどで、これが事実上の相場です。この15ブランド同士であれば、戸建てで比べてもマンションで比べても相対的な位置関係は変わりません。判断がずれるのは、残る15ブランドとの比較においてです。差額が相場より小さいタイガースネット光(990円)やGMOとくとくBB光(1,045円)はマンションでは相対的に不利になり、相場より大きいic-net光(2,200円)やソフトバンク光(1,540円)は相対的に有利になります。

差額に幅があるため、戸建ての料金順位はマンションではそのまま通用しません

差額が一律でない以上、戸建てのランキングで上位だったブランドがマンションでも上位とは限りません。実際に順位を並べ直すと、次のように入れ替わります(1Gbps、全30ブランド中の順位、2026年8月時点)。

ブランド戸建ての順位・月額料金マンションの順位・月額料金
ic-net光28位・6,028円8位・3,828円
ahamo光7位・4,950円3位・3,630円
カブアンド光18位・5,610円13位・4,180円
ソフトバンク光30位・6,233円28位・4,693円
GMOとくとくBB光4位・4,818円6位・3,773円
タイガースネット光7位・4,950円10位・3,960円
So-net光(Mプラン)27位・5,995円30位・4,895円

最も大きく動くのはic-net光です。戸建てでは30ブランド中28位と下位ですが、マンションでは8位まで上がります。ahamo光も7位から3位へと順位を上げます。逆にタイガースネット光は7位から10位へ、GMOとくとくBB光は4位から6位へ下がります。マンションにお住まいの方が戸建て向けのランキングを参考にすると、この入れ替わりの分だけ判断がずれます。当サイトの1Gbps料金比較は戸建てとマンションをタブで切り替えられますので、必ずマンションの表で確認してください。

スマホのセット割の損得も、マンションでは戸建てと結論が変わることがあります

順位が入れ替わる影響は、スマホとのセット割の判断にも及びます。当サイトではセット割は本当にお得かで、次の式によって正味の損得を計算しました。

正味の損得 = セット割の割引額 −(対象ISPの月額料金 − 最安ISPの月額料金)

戸建てで試算した5ブランドでは、4ブランドがマイナス、つまりセット割を使ってもなお最安のandline光SEを選んだ方が総額で安いという結果でした。同じ計算を、マンションの月額料金(最安はandline光SEの3,500円)に置き換えると結果が変わります。

ブランドマンション月額料金セット割の割引額最安との差額正味の損得(マンション)参考:戸建ての場合
AsahiNet光4,488円1,200円+988円+212円+102円
ドコモ光4,400円1,100円+900円+200円-20円
ソフトバンク光4,693円1,100円+1,193円-93円-533円
IIJmioひかり4,356円660円+856円-196円-196円
Tiki光コラボ4,180円220円+680円-460円-460円

ドコモ光は戸建てでは正味マイナス20円でしたが、マンションではプラス200円に反転します。ソフトバンク光もマイナス533円からマイナス93円まで差が縮まります。理由は、この2ブランドの戸建てとマンションの差額が相場の1,100円より大きい(ドコモ光1,320円、ソフトバンク光1,540円)ためです。最安ブランドとの価格差がマンションでは縮むぶん、同じ金額の割引が効きやすくなります。

ただしこの試算は、セット割の割引額が住居タイプによって変わらないという前提での計算です。当サイトが確認した割引額は戸建てを基準にしたものですので、マンションでの適用条件と割引額は各社の公式サイトで確認してください。

同じ月額料金でも、建物内の配線方式によって実際の速度は10倍以上変わります

料金の話はここまでです。マンションでは、料金と同じかそれ以上に、建物内の配線方式が結果を左右します。

配線方式速度の上限特徴
光配線方式最大1〜10Gbps各戸まで光ファイバーが直接届いており、戸建てとほぼ同条件で通信できる
LAN配線方式最大1Gbps(物件により100Mbpsの場合あり)建物内はLANケーブルで配線。1本の回線を住民全員で共有するため、混雑時は速度が不安定になりやすい
VDSL方式最大100Mbps建物内は既存の電話線(メタル配線)を利用するため、速度が大きく制限される

つまり同じISP・同じ月額料金のマンションタイプでも、配線方式が光配線方式かVDSL方式かで、実際に出る速度が10倍以上変わることがあります。ブランド間の月額料金の差が数百円であるのに対し、配線方式による速度差は10倍です。どのブランドを選ぶかを悩む前に、自分の建物の配線方式を確認する方が、体感の満足度に直結します。

光配線方式の設備がある建物では、2026年1月31日にVDSL方式・LAN配線方式の提供が終了しました

NTT東日本・西日本は、光配線方式の設備がすでに併設されている建物について、2026年1月31日をもってVDSL方式・LAN配線方式の提供を終了し、光配線方式への切り替えを進めてきました(出典: NTT東日本公式発表)。対象はあくまで光配線方式の設備が既にある建物に限られ、光配線方式の設備自体がない建物では、引き続きVDSL方式・LAN配線方式が使われています。「2026年に終了したのだから自分の建物も光配線方式になっているはず」とは限りません。

10Gbpsを検討する場合は、光配線方式であることが前提になります

VDSL方式の上限は100Mbps、LAN配線方式は最大1Gbps(物件により100Mbps)ですから、10Gbpsプランを契約しても速度を活かせません。加えて、フレッツ光クロスのマンション向け提供は2022年9月開始と戸建てより2年5ヶ月遅く、対応建物もまだ限定的です。マンションで10Gbpsを検討する場合の建物単位の判定手順は、10Gbpsの提供エリア確認方法で解説しています。

そもそも、その建物でマンションタイプを契約できるとは限りません

当サイトの比較表に掲載しているマンションタイプの月額料金は、その建物で契約できる場合の金額です。実際には、建物に導入されている設備によって契約の可否や実際に出る速度が変わります。比較表で最安のブランドを見つけても、その建物では申し込めないという事態は起こり得ます。金額を比べるより先に、契約できるかどうかを確かめてください。

配線方式と契約可否は、次の3つの方法で確認できます。

  • ISPのエリア確認フォーム:多くのISPの公式サイトでは、住所を入力するエリア確認・申込みフォームで配線方式が表示されます。郵便番号で止めず、建物名と部屋番号まで入力してください。
  • 建物の管理会社・オーナー:その建物にどの設備が導入されているかを最も正確に把握しています。
  • 現在契約中のISP:すでにインターネットを利用している場合は、契約中のISPに問い合わせるのが確実です。

マンションで契約する前に確認したいのは、次の4点です

ここまでの内容を、申し込み前の手順に落とし込みます。

  1. その建物でマンションタイプを契約できるか。契約できなければ、比較表の金額は当てはまりません。まずエリア確認フォームで判定してください。
  2. 建物内の配線方式。光配線方式かVDSL方式かで、実際に出る速度が10倍以上変わります。
  3. 月額料金に基本料金以外の費用が含まれているか。たとえばソフトバンク光のマンションタイプは基本料金4,180円ですが、事実上必須の光BBユニット513円を加えた4,693円が実際の負担額です。当サイトが基本料金とIPv6利用料金を合算した金額を月額料金と定義しているのはこのためです。
  4. 工事費と解約金。工事費はマンションの方が安く設定されることが多く、GMOとくとくBB光では戸建て26,400円に対しマンション25,300円です。ただし「実質無料」は途中解約で残債が一括請求される場合があります(解約金・契約期間の基礎知識を参照してください)。

この4点を確認したうえで、1Gbps料金比較のマンションタブで候補を絞り込むのが、遠回りのようでいて最短の進め方です。契約前の確認事項全般は光コラボ契約前に確認すべき4つのポイントにまとめています。

戸建てとマンションの料金差についてよくある質問

マンションタイプの方が安いぶん、速度も遅いのですか

料金の差は、建物内の設備を複数世帯で共有できることによるコストの差であって、速度の差ではありません。各戸まで光ファイバーが届く光配線方式であれば、戸建てとほぼ同条件で通信できます。速度の上限を決めるのは料金ではなく配線方式です。

戸建てとの差額が大きいブランドを選べば得ですか

いいえ。差額は「そのブランドの戸建てがいくらか」に左右される数字であり、実際に支払うのはマンションの月額料金です。比較すべきはマンション同士の金額です。たとえばic-net光は差額2,200円と最も大きいブランドですが、マンションの月額料金3,828円は最安のandline光SE(3,500円)より328円高くなります。

同じ建物の住民が増えると遅くなりますか

LAN配線方式の場合は、1本の回線を住民全員で共有するため、混雑時に速度が不安定になりやすい構造です。光配線方式やVDSL方式の建物で住民数がどの程度影響するかについては、当サイトでは確認できていません。速度を左右する要素のうち当サイトが判断材料として掲載しているのは、各社が採用するVNE事業者です。

VDSL方式だと分かった場合、光配線方式に変えられますか

建物全体の設備に関わるため、まずは管理会社への確認が必要です。NTT東西が2026年1月31日に提供を終了したのは、光配線方式の設備がすでに併設されている建物のVDSL方式・LAN配線方式であり、光配線方式の設備自体がない建物は対象外です。

比較表に載っている金額どおりに契約できますか

建物によります。マンションタイプの料金は、その建物で契約できる場合の金額であり、当サイトは各建物の設備までは確認していません。当サイトが何をどこまで確認しているかは掲載情報はどうやって確認している?当サイトの調査プロセスで公開しています。

まとめ

マンションタイプが戸建てより安いのは、1本の回線設備を複数世帯で分け合えるからです。当サイトが調査している30ブランドすべてでマンションの方が安く、差額は月990円から2,200円になります。

ただし、差額が一律ではないため戸建てのランキングはマンションでは通用しません。ic-net光は戸建て28位からマンション8位へ、ahamo光は7位から3位へ上がる一方、GMOとくとくBB光は4位から6位へ下がります。スマホのセット割についても、戸建てでは損だったドコモ光が、マンションでは月200円得になる計算です。マンションで契約するなら、必ずマンションの料金表で比べ直してください。

そして料金以上に体感を左右するのが建物内の配線方式です。光配線方式なら最大1〜10Gbps、VDSL方式なら最大100Mbpsと、上限は10倍以上違います。先に建物の条件(契約できるか・配線方式は何か)を確定させ、そのうえでマンションタイプの料金表で候補を絞る。この順番を守るだけで、契約後に「思っていたより遅い」と感じる可能性は大きく下がります。

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